日本酒の分類
日本酒の世界には、ワイン業界の様な法律に基づいたワインの産地を示す呼び名 A.O.C.(原産地統制呼称制度)、品質等級を表すD.O.C.やI.G.Pなどの制度がまだありません。
現在、日本には原産地呼称(G.I.)が5つしかありません。全てのボトルには日本酒の歴史と生産を表す用語が記載されていますが、それらは「公式」と「非公式」の用語があります。ウォッカやジンのように、製造方法や蒸留に使用される製品(ジャガイモ、ビート、シリアルなど)がラベルにほとんど表示されないスピリットとは異なり、日本酒ボトルのラベルには役立つ情報が満載です。多くの場合、情報は日本語ですが、日本酒のボトルごとに実際の識別情報が作成されます。
正式に、日本酒のラベルに記載しなければいけない情報は下記の通りです。
米、水、麹などの原材料表記、アルコール含有量。生産日、製品カテゴリ、醸造所の名前と住所。しかし、大多数の生産者は、裏ラベルと表ラベルの両方を使用し、消費者に詳細な情報(米の種類、精米の割合、酒のメーターの値など)を提供する事が多いです。
日本酒の公式分類
日本酒に関する法律や分類の仕方は、その時の傾向に応じて長年にわたって継続的に進化してきました。
最初の制度は1943年にさかのぼります。その年、政府は特級、一級、二級の3つの異なるカテゴリーからなる日本酒級別制度を設立しました。
この分類は、政府関係者による日本酒の鑑定に基づいており、その品質に応じて日本酒をランク付けしました。生産量(アルコールの添加の有無、精米歩合など)に関係なく、ランクが高いほど、蔵(醸造所)の税金は高くなります。一部の蔵が高税を回避するために格下げを要求したとき、システムは1989年に放棄されました。この分類システムの結果として、高品質の日本酒と喧伝し、クオリティを促進していくという概念は逆の効果をもたらしました。
公式に現在の分類が実施されたのは、1989年と1992年以降です。それは3つの主要な基準を強調しています。
副原料の添加の有無;
精米歩合;
アルコールの添加の有無(アル添または純米)。
この分類は、精米機の改良などの大幅な技術的進歩によって可能になり、
第二次世界大戦中に消えた純米酒の復活など、明確なスタイルの出現にもつながりました。
(詳細については、レポートAruten Vs Junmaiを参照してください)。
この分類の主な目的は、消費者が表と裏のラベルを通して日本酒の感覚的なプロファイルを
すばやく理解できるようにすることです。
特定名称酒ついて
以下の表記はボトルの特定名称です。特定名称が表示されていない場合、
日本酒は普通酒となります。ワインの世界と同じように、酒蔵が商品の良さや技術を強調すればするほど、法的に求められている情報ではなくなりますが、記載しなければ〝普通の日本酒”というグレードの位置付けになります。
この特定名称酒表記は、「価格帯を限定してしまう」ため、主に収入も制限します。たとえば、純米は別の価格帯にあるため、純米吟醸酒は必ず特定の価格帯である必要があります。新世代と原産地呼称(G.I.s)の創設に率いられたこの非公式の逆流の誕生は、最終的には特定名称表記の変更につながる可能性があります。
特別
「SPECIAL」の意味を成す「特別」という用語が酒のボトルによく使われている。しかし、何が特別なのか?
それは精米歩合が60%以下、(または特別な製法と認められる場合と原料米)で、米の種類が違うお酒であることが多いです。
「特別」に分類されるためには、同じ蔵の他のお酒とは「別の工程を経て」醸造されたお酒である必要があります(市場全体ではありません)。このタイプの日本酒は、杜氏(マスターブリューワー)による個性や、または異なる製造方法(米の種類、精米歩合、麹、酒母など)によって造られます。