ストーリー

日本酒の世界に訪れた革命

BLENDING THE BEST WITH THE BEST 〜未だかつてない新しい日本酒が誕生〜

カナダ出身のアロマスペシャリストであり自らを『ハーモニークリエーター』と呼ぶフランソワ・シャルティエ。彼は今回日本の酒造りに改革をもたらしました。シャンパンや高級ワイン、ウイスキー、シェリー酒、ポートワインと異なり、これまでの日本酒文化では「商品」の均質化のみで用いられていた手法。しかしフランソワ・シャルティエは最高品質・最高級の日本酒のブレンド酒を完成させる事によりその考え方を変えてゆくのです。

2018年初め、田中酒造店を訪れ1週間滞在した際、彼はより良い日本酒を生み出す手段としてブレンド手法が日本国内に於いて活用されていない事に驚きました。その場でシャルティエは試しに田中酒造店のお酒をブレンド。すると蔵人の方々も驚く未知の体験が起こりました。彼がブレンドした事により既存の日本酒達が魅了され生まれ変わったのです。

間も無くして、シャルティエは正式に田中酒造店の「マスターブレンダー(ブレンダーの巨匠)」となり杜氏「マスターブリュワー(酒蔵の最高製造責任者)」の方と協働を開始しました。同時に田中酒造店は230年続く手造り・無添加の日本酒を祝し、この商品ラインに『Tanaka 1789』と名付けました。

ではどのようにブレンド酒が完成したのでしょうか?
初めに、シャルティエは彼自身が確立したアロマティックサイエンス、そしてヨーロッパで展開するワイン事業によって培ったブレンドの知識を活用しました。2011年に自らワインの製品ラインをプロデュースしており、その際彼はボルドーのワイン学者であり、世界でも誉高いボルドーのワイナリー(スペインのベガ・シシリアやシャトーヌフ・デュ・パプのシャトー・ド・ボーカステル、サンテステフを代表するシャトー・コス・デストゥルネル)のマスターブレンダー(ブレンダーの巨匠)として活躍するパスカル・シャトネット氏と密に協働した経験があります。

クリックしてビデオを再生

世界最高峰の白ワイン(例えばバーガンディー地方やヴァ・レ・ドワ・ロワール地方生産の)が兼ね備えるエレガンスさ、フレッシュさ、生き生きとした酸味が今回シャルティエがブレンドを考えたきっかけとなっています。彼は日本酒の核となる魂を傷つける事なく、ワインのスタイルに近づけられるのではないかと考えたのです。

白ワインの歴史文化への敬意と創意工夫を日本酒の文化にも昇進させるべく、シャルティエは酒造工程に変化を加え、新たにブレンド用の日本酒6種の開発を田中酒造店の盛川杜氏に依頼しました。しっかりとした質感やより複雑さあるお酒にするため、この6種は自然の力を利用した昔ながらの山廃仕込みと生酛造りを採用しています。また、よりアロマと酸味を足すため、酵母の宮城 B3号と協会7号とともに、酒米は地元で収穫される「蔵の華」と「美山錦」を使用。さらに、より香り高く、複雑さがあり、旨味が凝縮された日本酒を完成させるため、シャルティエの提案により米の精米歩合を高くしています。

結果、シャルティエは彼の革新的なブレンドプロセスに使用する複数の異なる酒を完成させました。そしてこのブレンドプロセスは完成した酒と酒のアロマティック相乗効果を増大・拡張・まさしく拡大させています。

この相乗効果はモレキュラーハーモニー(分子調和)における彼のアロマティックサイエンスを通して何年も前に発見・証明した『1+1=3!』の概念と同じです。

この結果、世界最高峰のソムリエにより開発・選別・ブレンドされた革命的で全く新しい日本酒が誕生したのです。
まさに、ワイン愛好家向けの日本酒になっています。

フランソワ・シャルティエ:ハーモニークリエーター

カナダケベック州出身、2016年からはバルセロナ在住のフランソワ・シャルティエは1980年代後半から私たちの日常生活、その中でも特にガストロノミーやワイン・飲料の世界におけるアロマの効果について追求してきました。

自身を『ハーモニークリエーター』と称し、ガストロノミー界では他に類を見ない成功を収めてきました。1994年にはソムリエの世界チャンピオンとなり、出版書籍では「グルマン世界料理本大賞」を2010年(パリ)、2013年(パリ)、2016年(中国)の3度も受賞しています。

シャルティエは2004年に自らの殻を破り、「モレキュラーハーモニー(分子の調和)」と称する新たな科学概念を考えだしました。この科学は食とワインや飲料におけるアロマの相乗効果の可能性に基づいています。同時に食とワインと飲料の調和を紐解くことで、シャルティエは世界のガストロノミーの歴史におけるアロマの効果を解明することができたのです。

それ以降、彼はアロマのスペシャリスト第一人者として一目を置かれるようになりました。アメリカ人ワイン評論家のロバート・パーカーJr. はシャルティエの功績を見て、「彼は生粋の天才だ!」と称賛し、一方でエル・ブジ(世界のベストレストランに5度も一位に輝く)のフェラン・アドリアは「フレーバーにおける一流の専門家」として認めています。

2019年春には、ソニー株式会社研究機関の新組織「Sony AI」プロジェクトのガストロノミー分野において、東京拠点のソニーAIチームの研究者達のアドバイザーとして活動を開始しています。

そんな中、毎年数週間滞在する日本で彼が注目しているのが日本酒です。2018年からは、日本で最も歴史ある酒蔵の一つ田中酒造店の「マスターブレンダー」として活躍。その一本目となる日本酒「TANAKA 1789 X CHARTIER」が2020年春、世界で展開されます。

シャルティエはこの他、スペインのエル・ブジ元料理長フェラン・アドリア氏(2007年~2009年まで)や同国ムガリッツ(「世界のベストレストラン50」で7位に選出)のアンドニ・アドゥリス氏など、これまで世界の名立たる有名シェフのレシピ開発におけるアロマティックコンサルタントも務めています。

シャルティエの詳細はこちら : www.francoischartier.ca

1789年創業田中酒造店:230年の歴史

創業1789年 - フランス革命の年 - 、日本の宮城県に位置し、世界最高峰のお酒を作り続け田中酒造店は2019年に230周年を迎えました。

2世紀以上の間、田中酒造店は手造りで酒造りを行なってきました。その精緻な工程では昔ながらの自然の力を利用した手法や最高品質の酒米を使用する事で、最高峰の杜氏(マスターブリュワー)が造る受賞クラスの日本酒に複雑さや芳醇さ、唯一無二の特徴を与えています。

田中酒造店では建築的にもユニークな歴史があります。淡緑色の陶材で出来た瓦屋根やなまこ壁は日本伝統の宝とも言える蔵建築の独特な持ち味を体現しています。建物内の壁には、昔の酒造方法が手書きで書かれていたりと歴史を感じる箇所が残されています。田中酒造店はまるで日本酒の生きたミュージアムなのです。そしてこれからもこの素晴らしいストーリーに光を当て継承しようとしています。

2018年、田中酒造店の長い歴史に新たなチャプターが書き加えられました。田中酒造店はフランソワ・シャルティエがどのように協働できるか考えるためフランソワ・シャルティエを酒蔵に迎え入れました。1週間滞在し、シャルティエはより良い日本酒を生み出す手段としてブレンド手法が日本のどこを探しても起用されていない事に驚きました。そこで、その場で試しに田中酒造店のお酒をブレンド。すると蔵人の方々も驚く事に、シャルティエがブレンドした事により既存の日本酒達が魅了され生まれ変わったのです。

間も無くして、シャルティエは正式に田中酒造店の「マスターブレンダー(ブレンダーの巨匠)」となり杜氏「マスターブリュワー(酒蔵の最高製造責任者)」の方々と協働し始めました。同時に田中酒造店は230年続く手造り・無添加の日本酒を祝し、この商品ラインに『Tanaka 1789』と名付けました。

PHILOSOPHY(私たちの想い)

日本産の日本酒

地元宮城の酒米と酵母を使用

大切にすべきレガシー、230年の歴史

蔵元が亡くなった後、ジーライオングループの田畑氏(現オーナー)が田中酒造店を復興させ、酒蔵のストーリーを継承しました。田畑氏はこの貴重な歴史と「物語を絶やしたくなかったのです。それを実現する為、新しいエネルギーやインスピレーションを杜氏(マスターブリュワー)や蔵人達にもたらし田中酒造店の未来に繋げるため田畑氏はフランソワ・シャルティエにアプローチしました。

新しく他に類を見ない、日本歴史史上初の日本酒のブレンド酒

私たちチーム全員が熱意や知識を共有する事でこの最高峰のお酒が完成しています

皆さまにベストな状態でお酒をお届けするのに、私たちは時間も大切な要素と考えます

蔵人がいなければもちろん酒はできません。
TANAKA 1789 X CHARTIERは数百年におよぶ経験と歴史を表現しています

宮城の中心 全てはここから始まる

日本とお米、この2つは表裏一体です。何世紀にもわたり日本の歴史はお米の稲作シーンを映し出してきました(食料、年貢米、危機、祝い事など様々)。お米の稲作は日本中に広がっており、今では日本人の主食として270種類も存在し、その内100種類は酒米として使われています。多くの酒蔵は涼しい地域に建てられており、酒造りに使用するお米の栽培にも最適と考えられています。宮城県は寒さと肥沃土の理想的な組合せを備えており、酒造りでも最も有名な地域とされています。

宮城は東北の豊かな肥沃に位置します。この地域は雪解けの純度が高くフレッシュな水や奥羽山脈から吹く冷たくしっとりとした風の恵みを受けています。

このような気候、米、純水などの好環境が揃い、最高品質の日本酒製造が可能になっているのです。

誰がBLEND001を成し遂げたのか

”ハーモニークリエーター”と称されるフランソワシャルティエ。田中酒造店のマスターブレンダー。

田中酒造店の若き杜氏(マスターブリュワー)の盛川氏。酒造りの根底にある伝統を守り、且つ酒の本質を捉えながらも、新しい方法を試みる広い視野を持っている。

ジーライオングループ、取締役の田畑若菜氏。この壮大なプロジェクトのリーダーとして、フランソワ・シャルティエや社内チームメンバー(マーカス・伊藤氏やナイザティ・ムラティ氏)と共にマーケティング戦略の構築やプロジェクトマネージャーを務める。

シャルティエ”ハーモニークリエーター”のチームメンバー:イザベル・モレン(シャルティエのビジネスパートナーであり妻)、ニコラス・ロッシェ(バルセロナと日本におけるシャルティエの良きパートナー)